2023年3月23日
メタボとは?
「メタボ(メタボリックシンドローム)」とは、
・お腹の内側に脂肪がたまる「内臓脂肪」
・血糖値が高い(糖尿病やその手前)
・血圧が高い
・中性脂肪やコレステロールの異常
が重なった状態のことです。
最近は運動不足や食べ過ぎの影響で、日本でもメタボの人が増えており、大きな社会問題になっています。
メタボを放っておくとどうなる?
メタボを改善せずにいると、血管がもろくなり、心筋梗塞や脳梗塞などの命に関わる病気のリスクが高まります。
さらに、メタボとがんの関係にも注目が集まっています。たとえば、メタボがあると肝がんや大腸がんの発症リスクが上がることが指摘されています。しかも近年には、メタボが膵がんのリスクとも深く関係していることがわかってきました。
メタボと膵がんの大規模調査
韓国で行われた大規模研究(対象:約820万人!)では、メタボと膵がんの関係を長期間にわたって調べました。
調査では参加者を次の4つに分けて比較しています。
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最初からメタボがない人
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途中でメタボになった人
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メタボが改善した人
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メタボがずっと続いている人
結果は次のとおりです。
・メタボがある人、あった人は、膵がんのリスクが明らかに高い
・しかし、メタボを改善した人は膵がんのリスクが下がる
つまり、生活習慣を改善すれば、膵がんの予防にもつながる可能性があるということです。
メタボ改善で膵がんリスクを下げられる?
今回ご紹介した研究では、統計的には「メタボがあると膵がんのリスクが上がる」という結果が出ています。ただし、そのリスク上昇は極端に大きなものではありません。
とはいえ重要なのは、自分の努力次第で膵がんのリスクを下げられる可能性があるという点です。メタボを改善すれば、膵がんのリスクが少しでも減るかもしれない――これは大きな意味を持つメッセージです。
健康全体に広がるメリット
メタボの改善は膵がんだけでなく、
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心筋梗塞や脳梗塞の予防
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糖尿病の進行防止
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生活の質の向上
にもつながります。
今日からできること
大げさなことをしなくても、まずは 「お腹まわりを1cm減らす」ことを目標にしてみましょう。日々の食生活の工夫やちょっとした運動の積み重ねが、がんや生活習慣病のリスクを確実に下げていきます。
まとめ
参考文献
Park JH, et al. Gastroenterology. 2022;162:509-520.e7