『沈黙の臓器』膵臓とは?はじめての膵臓入門|みゆき消化器内視鏡クリニック|多摩市永山の消化器内科・内視鏡検査

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『沈黙の臓器』膵臓とは?はじめての膵臓入門

『沈黙の臓器』膵臓とは?はじめての膵臓入門|みゆき消化器内視鏡クリニック|多摩市永山の消化器内科・内視鏡検査

2025年11月08日

膵臓(すいぞう)とは?体のどこにあるの?

膵臓は、胃の裏側・背中に近い部分に位置する長さ約15cmほどの臓器です。
普段は目立たず、痛みや不調を感じにくいため、「沈黙の臓器」とも呼ばれています。
しかし実は、私たちの生命を支える“要(かなめ)”のような臓器です。

膵臓は主に2つの大切な働きをしています。

膵臓の働き①:消化を助ける「外分泌機能」

膵臓は、食べ物を消化するための強力な消化液「膵液(すいえき)」を作っています。
この膵液の中には、次のような消化酵素が含まれています。
 
トリプシン:タンパク質を分解する酵素
リパーゼ:脂肪を分解する酵素
アミラーゼ:炭水化物(糖質)を分解する酵素
 
これらの酵素を含んだ膵液は「膵管」を通って十二指腸に流れ出し、食べたものを体が吸収しやすい形に分解します。
 
しかし、炎症などが起こると膵液が膵臓の中で過剰に働いてしまい、自分の膵臓や周囲の組織を“溶かして”しまうことがあります。これが「急性膵炎」です。
 
一方で、膵液の分泌が十分でないと、脂っこい食事の後に下痢や脂肪便、体重減少がみられることがあります。
これは「膵外分泌機能不全」と呼ばれ、消化不良のサインのひとつです。

膵臓の働き②:血糖をコントロールする「内分泌機能」

膵臓の中には、「ランゲルハンス島(とう)」と呼ばれる小さな細胞の集まりがあります。ここから、血糖値を調整するためのホルモンが分泌されています。代表的なのが、
 
インスリン(血糖値を下げるホルモン)
グルカゴン(血糖値を上げるホルモン)
ソマトスタチン(インスリンとグルカゴンの分泌を調整しているホルモン)
 
の3つです。

私たちが食事をすると血糖値は上がりますが、膵臓はすぐにインスリンを分泌して、血糖値を正常範囲に戻してくれます。

逆に、空腹時や夜間に血糖値が下がりすぎないように、グルカゴンが分泌されて血糖値を上げる働きをします。

このように、膵臓はインスリンとグルカゴンをバランスよく分泌し、血糖値を一定に保つ「調整役」の役割を果たしています。

しかし、膵臓の機能が低下するとインスリンの分泌が不足し、糖尿病の発症や血糖コントロールの悪化につながることがあります。

なぜ「沈黙の臓器」と呼ばれるの?

膵臓は、しばしば「沈黙の臓器」と呼ばれます。
その理由は、病気があっても初期にはほとんど症状が出ないため、異常に気づきにくいからです。

さらに膵臓は、胃の裏側・背中に近い体の奥深くに位置しているため、外から触れたり、痛みとして感じたりすることが難しい臓器です。
そのため、異常が見つかるころにはすでに病気が進行していることも少なくありません。

特に「膵がん」は、初期の段階では自覚症状がほとんどなく、早期発見が難しい代表的な病気として知られています。
背中の痛みや体重減少、黄疸などの症状が出るころには、進行しているケースもあります。

放送局:日本テレビ放送網株式会社
番組名:カズレーザーと学ぶ。
放送日:2024年9月2日(火)22:00〜23:00

膵臓の病気のサインに気づくには?

以下のような症状がある場合は、膵臓のトラブルのサインかもしれません。

 🔶背中の奥の痛み(特に左側)
 🔶食欲不振、体重減少
 🔶脂っこいものが苦手になった
 🔶黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
 🔶新たに糖尿病の発症または急激な糖尿病の悪化 👉 関連コラムはこちらhttps://miyuki-cl.com/column/第36回-多摩糖尿病チーム医療研究会にて『膵がん/


このような症状がある場合は、早めに専門の消化器内科・膵臓専門医にご相談ください。

膵臓を守るためにできること

膵臓を健康に保つためには、日常生活の見直しが大切です。


 🍽️ 暴飲暴食を避ける
 🍺 アルコールの量を控える
 🚬 禁煙する(喫煙は膵がんの大きなリスク)
 🍎 バランスの取れた食事を意識する
 🩺 定期的に健康診断・画像検査を受ける


特に、家族に膵がんの方がいる場合や新たに糖尿病を指摘された方は、MRIや超音波内視鏡(EUS)による精密検査が早期発見につながります。

🧭 まとめ

☑️膵臓は「消化」と「血糖コントロール」の要
☑️初期症状が出にくく“沈黙の臓器”と呼ばれる
☑️背中の痛みや体重減少は早めの受診を
☑️定期的な画像検査が早期発見につながる

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