【症例】80代後半で発見されたステージ1膵がん― IPMN経過観察中に見つかった7mmの膵がん|みゆき消化器内視鏡クリニック|多摩市永山の消化器内科・内視鏡検査

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MRIと超音波内視鏡による膵がんドック

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【症例】80代後半で発見されたステージ1膵がん― IPMN経過観察中に見つかった7mmの膵がん

【症例】80代後半で発見されたステージ1膵がん― IPMN経過観察中に見つかった7mmの膵がん|みゆき消化器内視鏡クリニック|多摩市永山の消化器内科・内視鏡検査

2026年8月21日

高齢化に伴い、80代など高齢の方に膵がんが見つかる機会も増えています。

80代の高齢者に膵がんが疑われた場合、精密検査や手術などの治療をどこまで行うべきなのでしょうか。

今回は、当院で超音波内視鏡検査(EUS)を行い、ステージ1の膵がんと診断・治療された80代後半の患者さんをご紹介します。

症例

分枝型IPMN経過観察中に、膵管狭窄・拡張が出現

80代後半の女性です。

分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)のため、総合病院で定期的に経過観察を受けていました。

経過観察中のMRIで、新たに膵管の狭窄と、その尾側の膵管拡張が認められました。

MRI(MRCP)で認めた膵管狭窄と尾側膵管拡張。IPMNとは離れた部位に膵管狭窄を認める
MRI(MRCP)では、IPMNとは離れた部位に膵管狭窄を認め、その尾側の膵管が拡張していました。

さらに腹部エコー検査でも膵体部に腫瘤が疑われましたが、病変をはっきりと確認することはできませんでした。

これらの所見から膵がんの可能性が考えられましたが、ご高齢であることなどから、その時点ではさらなる精密検査は行われない方針となりました。

しかし、ご本人には、

「もし膵がんであれば、きちんと診断を受け、治療できるのであれば治療を受けたい」

という明確な希望がありました。

そこで地元のかかりつけ医に相談され、その先生から当院へご連絡をいただき、一度受診していただくことになりました。

ご本人の「治療を受けたい」という意思を確認

当院では、まずご本人を診察し、ご家族にも同席していただいたうえで、今後の方針についてお話ししました。

特に確認したかったのは、

「もし膵がんと診断された場合に、手術などの治療を受ける意思があるか」

という点です。

精密検査を行うかどうかを考える際には、検査そのものだけではなく、診断された後にどのような治療を希望されるのかまで考えることが大切です。

ご本人、ご家族ともに精査と治療を希望されていたため、当院で超音波内視鏡検査(EUS)を行うことにしました。

EUSで7mmの膵がんを疑う

EUSでは、MRIと同様に膵体尾部の膵管拡張を認めました。

そして、膵管の拡張が始まる部分に約7mmの腫瘍が疑われました。

超音波内視鏡検査(EUS)で認めた7mmの膵がん
超音波内視鏡検査(EUS)で認めた約7mmの膵がん(矢印)

そこで、引き続きEUS下穿刺生検(EUS-FNB)を行いました。

超音波内視鏡下穿刺生検(EUS-FNB)で7mmの膵腫瘍を穿刺している画像
約7mmの膵腫瘍に対して超音波内視鏡下穿刺生検(EUS-FNB)を行っている画像。矢印は腫瘍と穿刺針を示します。

病理検査の結果、膵がんと診断されました。

今回見つかった膵がんは、以前から経過観察されていた分枝型IPMNとは離れた場所に存在していたため、IPMNそのものががん化したのではなく、「IPMN併存膵がん」と判断しました。

手術を行い、最終診断はステージ1

その後、近隣の大学病院へご紹介しました。

さらに詳しい検査を受けた結果、手術可能と判断され、ロボット支援下膵切除術を受けられました。

手術後の最終診断は、

ステージ1の膵がん

でした。

術後経過も順調で、無事に退院されたとのことです。

この症例から考えること

今回の症例では、MRIで膵管狭窄・膵管拡張という変化が出現し、EUSを行うことで、

その原因となっていたわずか7mmの膵がんを発見することができました。

また、患者さんが80代後半であっても、年齢だけではなく、全身状態やご本人の希望、そして診断後に治療を受ける意思があるかを踏まえて、精密検査を行うかどうかを考えることの大切さを改めて感じた症例でした。

分枝型IPMNの多くは良性のまま経過しますが、一部の方では経過中に膵がんが発生することがあります。

これまでの院長コラムでも繰り返しお伝えしていますが、IPMNの患者さんに発生する膵がんには、大きく2つのタイプがあります。

IPMNの患者さんに発生する2種類の膵がん

① IPMN由来膵がん
IPMN(嚢胞)の部分そのものががん化したもの

② IPMN併存膵がん
IPMN(嚢胞)とは離れた場所に、別の膵がんが発生したもの

IPMN由来膵がんとIPMN併存膵がんの違いを示したイラスト
IPMNに関連する膵がんには、嚢胞そのものががん化する「IPMN由来膵がん」と、 嚢胞とは離れた場所に別の膵がんが発生する「IPMN併存膵がん」があります。

IPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)と膵がんの関係を詳しく解説

IPMN由来膵がんでは、嚢胞が大きくなったり、嚢胞内部に壁在結節(ポリープ状の隆起)が出現したりすることがあり、こうした変化が悪性化を疑う手がかりになります。

一方、IPMN併存膵がんは、IPMNそのものとは別の場所に発生する膵がんです。

そのため、IPMN(嚢胞)の大きさや形だけを見ていても、併存膵がんの発生を予測することは容易ではありません。

▶ 当院では以前にも、IPMNの経過観察中に膵管の変化をきっかけとしてEUSを行い、 ステージ1のIPMN併存膵がんを発見した症例を経験しています。
IPMN経過観察中にEUSで早期発見したステージ1膵がんの症例 (手術後6年以上、無再発で経過)

最近では、脂肪膵がIPMN併存膵がんの危険因子の一つとなる可能性も報告されています。

脂肪膵とIPMN併存膵がんの関係を論文から解説

そのため、IPMNの経過観察では、嚢胞そのものの大きさや形の変化だけを追うのでは不十分です

今回の症例のように、

膵管の狭窄や拡張など、それまでにはなかった新たな変化を見逃さないこと

が、IPMN併存膵がんを早期に発見するうえで非常に重要だと考えています。

IPMN経過観察中に
膵管狭窄・膵管拡張を指摘された方へ

IPMNの経過観察では、嚢胞の大きさや形だけでなく、 新たに出現した膵管の狭窄や拡張にも注意が必要です。

今回ご紹介した症例のように、IPMNとは離れた場所に膵がんが発生する 「IPMN併存膵がん」もあります。 MRIやCTなどで膵管の変化を指摘された場合には、必要に応じて 超音波内視鏡検査(EUS)による詳しい評価を行います。

ご高齢の方についても、年齢だけで判断するのではなく、 全身状態やご本人の希望、診断された場合に治療を希望されるかなどを踏まえて、 精密検査が必要かどうかを検討します。

※IPMN・膵管狭窄・膵管拡張などについて、医学的に必要と判断されるEUSは保険診療で行います。
※紹介状がない場合でも受診いただけます。過去のMRI・CT・腹部超音波検査などの結果をお持ちの場合は、受診時にご持参ください。
※当院では移転後に525件の超音波内視鏡検査(EUS)を行っています(2025年8月〜2026年7月)。

IPMNや膵管の変化について精密検査をご希望の方は
WEB問診からご相談ください

① WEB問診を開き、患者情報を入力してください。
② 診療科の選択で「超音波内視鏡(EUS)検査 事前問診【初診の方】」をお選びください。
③ 問診内容を確認後、必要に応じてスタッフまたは院長よりご連絡します。


IPMNや膵管拡張などの異常を指摘されていない方で、MRIとEUSを組み合わせた自費検査をご希望の場合は、 「 MRIとEUSを組み合わせた膵がんドック 」をご覧ください。

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