2026年6月03日
膵嚢胞、IPMN、膵管拡張、膵腫瘍の疑いなどを指摘され、超音波内視鏡(EUS)による詳しい検査を希望される方が増えています。
今回は、2026年5月の当院における超音波内視鏡(EUS)検査の状況と、どのような方にEUSが検討されるのかについてご紹介します。
5月の超音波内視鏡(EUS)検査件数について
2026年5月の当院における超音波内視鏡(EUS)検査件数は、月間56件でした。
4月は月間52件と当院として過去最多の検査件数でしたが、5月はそれをさらに上回り、月間56件と過去最多の件数となりました。
多くの患者さんに検査を受けていただいたことは、膵臓の病気に対する関心の高まりと、健診や他院の画像検査で膵臓の異常を指摘される機会が増えていることを反映しているように感じています。
5月にEUSを行った主な目的
5月にEUSを行った方の多くは、膵嚢胞、IPMN、膵管拡張などの精密検査を目的とした患者さんでした。
そのほか、膵腫瘍が疑われる方、CTやMRIで膵臓の詳しい評価が必要と判断された方、胆管や胆嚢の病変、胃粘膜下病変の評価を目的とした検査も含まれていました。
EUS検査の対象となることが多い所見には、以下のようなものがあります。
超音波内視鏡検査(EUS)が検討される方
- 膵嚢胞、IPMNを指摘された方
- 膵管拡張を指摘された方
- 腹部エコーで膵臓が見えにくい、または詳しい評価が必要と言われた方
- CTやMRIで膵臓に気になる所見を指摘された方
- 膵腫瘍、胆管病変、胃粘膜下病変などが疑われる方
EUSは膵臓を近い距離から詳しく観察する検査です
超音波内視鏡(EUS)は、胃や十二指腸の中から膵臓を近い距離で観察する検査です。
膵臓は体の深い場所にあり、腹部エコーでは見えにくいことがあります。また、CTやMRIで異常を指摘された場合でも、さらに細かい評価が必要になることがあります。
EUSでは、膵嚢胞やIPMNの大きさ、内部の状態、膵管との関係、小さな結節の有無などを詳しく確認します。特に、膵嚢胞や膵管拡張を指摘された方では、今後の経過観察の方針を決めるうえで重要な情報が得られることがあります。
MRIとEUSを組み合わせた膵臓の詳しい検査については、膵がんドックのページでもご案内しています。
検査時間と苦痛への配慮について
当院でのEUS検査は、観察のみの場合、観察自体は10分前後です。
ただし、膵臓は頭部、体部、尾部で見え方が異なるため、胃や十二指腸から角度を変えながら、膵臓全体を丁寧に確認していきます。
検査時には、苦痛に配慮して鎮静剤・鎮痛剤を使用しています。眠っているような状態で検査を受けられる方が多く、検査中のつらさをできるだけ少なくするように努めています。
結果説明はできるだけ当日に行っています
EUSで観察してわかる範囲については、検査当日に結果をご説明しています。
遠方から来院される方や、他院からご紹介いただく方もいらっしゃるため、できるだけ来院回数が少なくなるよう配慮しています。
一方で、EUS下穿刺吸引法(EUS-FNA/FNB)を行った場合には、採取した組織や細胞を病理検査に提出するため、最終的な結果説明には後日の受診が必要となります。
膵嚢胞・IPMN・膵管拡張を指摘された方へ
膵臓の病気は、早い段階では症状が出にくいことがあります。
そのため、健診や人間ドック、他院の画像検査で膵嚢胞、IPMN、膵管拡張などを指摘された場合には、所見の内容に応じて適切に経過観察や精密検査を行うことが大切です。
すべての方にEUSが必要というわけではありませんが、画像所見によっては、EUSでより詳しく確認した方がよい場合があります。
検査の必要性は、嚢胞の大きさ、膵管の太さ、結節の有無、症状、年齢、全身状態などを総合的に判断します。