膵がんの症状②:上腹部痛|みゆき消化器内視鏡クリニック|多摩市永山の消化器内科・内視鏡検査

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膵がんの症状②:上腹部痛

膵がんの症状②:上腹部痛|みゆき消化器内視鏡クリニック|多摩市永山の消化器内科・内視鏡検査

2023年2月27日

「みぞおちのあたりが痛い」「食後に上腹部が重い感じがする」 このような症状は、胃炎や逆流性食道炎など比較的よくある病気でもみられます。

一方で、まれに膵臓の病気が関係していることもあります。
特に膵臓は背中側(胃の裏側)にあるため、上腹部痛として感じることがあり、注意が必要です。

膵臓は胃の裏側(背中側)に位置し、上腹部痛として症状が出ることがある

膵臓は胃の裏側(背中側)に位置しており、上腹部や背中の痛みとして症状が現れることがあります

膵がんは初期には症状が出にくいとされていますが、進行すると 上腹部痛や背中の痛みとして現れることがあります。

この記事では、

・上腹部痛の原因となる主な病気

・膵がんによる痛みの特徴

・受診や検査を検討した方がよいサイン

について、消化器専門医の視点からわかりやすく解説します。

なお、膵がんのその他の症状については、 膵がんの症状①(初期症状の解説) 膵がんの症状③(閉塞性黄疸の解説)もあわせてご参考ください。

上腹部痛の原因となる主な病気

上腹部痛の原因は一つではなく、胃・胆のう・膵臓などさまざまな臓器が関係しています。

主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。

主な原因となる病気

  • 胃の病気(胃炎、胃潰瘍、胃がん、逆流性食道炎など)
  • 胆のう・胆管の病気(胆石、胆のう炎など)
  • 膵臓の病気(膵炎、膵がんなど)
  • その他(機能性ディスペプシア、心疾患など)

この中でも、頻度が高いのは胃の病気ですが、 症状だけでは原因を正確に見分けることは難しい場合があります。

特に膵臓の病気は、胃の症状と似た形で現れることがあるため、 見逃さないことが重要です。

膵がんと腹痛

上腹部痛で受診される方の多くは、胃炎や逆流性食道炎など比較的よくある病気が原因です。

一方で、頻度は高くありませんが、膵臓の病気が関係していることもあります。

実際に、膵がんの方の約80%で腹痛の訴えがあり、 約25%の方は診断の半年前から腹部に何らかの違和感を感じていたと報告されています。

膵臓は胃の裏側(背中側)に位置しているため、 膵臓の病気では上腹部(みぞおち)や背中の痛みとして症状が現れることがあります。
そのため患者さんは「胃のあたりが痛い」と感じて受診されることが多いです。

膵がんの症状と発現頻度を示した図(腹痛・背部痛・体重減少・黄疸)

「胃のあたりの痛み」と感じていても、実際には膵臓が原因となっている場合があります

この「胃のあたりが痛い」という症状(訴え)が、 膵がんの早期診断を難しくしている一因とも考えられています。

内科クリニックなどに上腹部痛で来院される患者さんのほとんどは、胃の病気(胃炎、胃十二指腸潰瘍、まれに胃がん)が原因です。膵がんであることは、とても稀です(1つのクリニックに、恐らく1年間に数人もいないでしょう)。

ですので、いろんな病気の患者さんを診ているクリニックの医師(私も含めて)は、「上腹部痛=胃が原因かも」、とまず考えます。

医師と患者さんのやりとり

シーン1

上腹部痛の原因として胃と膵臓の違いを示した図

通常、上のような流れになることはないです(よほどの名医に当たるか、膵臓外来を受診していれば別ですが)。

シーン2

上腹部痛の診療でまず胃の病気が考えられやすいことを示した図

(その2週間後)

上腹部痛の原因として胃と膵臓など複数の臓器が関係する可能性を示した図

(その2週間後に胃カメラを受ける)

上腹部痛の原因が胃だけでなく膵臓など複数の臓器に関連することを示した図

(さらに2ヶ月後、別の医療機関を受診)

上腹部痛の背景に胃の病気だけでなく膵臓の病気が隠れている可能性を示した図

後日、腹部MRI検査で膵体部に腫瘍が見つかる。超音波内視鏡下穿刺細胞診で膵がんと診断されたが、手術の適応がなく、抗がん剤治療が開始になった。

上記のやりとりはフィクションですが、 膵がんの患者さんを多く診ている医師にとっては、決して珍しい流れではありません。

それでは、どのような場合に膵がんによる上腹部痛を疑うのでしょうか。

私は、症状や検査結果、背景因子などを総合的に評価し、 必要に応じて膵臓の精密検査(MRIや超音波内視鏡など)を検討しています。

膵がんによる上腹部痛を疑うチェックポイント

次のような症状・状況がある場合はご注意ください

  • ☑️ 1ヶ月以上、痛みが続いている
  • ☑️ 胃カメラで大きな異常がない
  • ☑️ 胃薬を飲んでも改善しない
  • ☑️ 50歳以上である
  • ☑️ 急激に体重が減っている
  • ☑️ 背中の痛みを伴う
  • ☑️ 血液検査で膵酵素や肝機能の異常がある
  • ☑️ 尿が濃い(紅茶色)、便の色が薄い、白目が黄色い
  • ☑️ 膵がんの危険因子がある(家族歴、膵のう胞、糖尿病など)

※膵がんの危険因子については、
膵がんの危険因子(詳しい解説) をご参照ください。

重要なのは、医師側に「上腹部痛の原因として膵臓の可能性も考える」という視点があるかどうかです。

上記の項目に複数当てはまる場合には、 膵臓が原因となっている可能性も考慮し、主治医に相談してみてもよいかもしれません。

※症状だけで判断することは難しいため、必要に応じてMRIや超音波内視鏡(EUS)などの画像検査が検討されます。

「念のため一度しっかり調べておきたい」と感じた方は、 専門的な検査について確認してみるのも一つの方法です。

上腹部痛が続いている方へ

上腹部の痛みは、胃の病気によることが多い一方で、
膵臓など他の臓器が関係していることもあります。

症状だけでは原因の判断が難しい場合もあるため、
必要に応じて画像検査による評価が検討されます。

「念のため一度しっかり調べておきたい」と感じた方は、
検査について確認してみることも一つの選択肢です。

当院では、超音波内視鏡(EUS)による精密検査や、膵がんドックを行っています。

超音波内視鏡(EUS)年間430件(2025年)・累計2000件の検査実績(2026年2月時点)をもとに診療を行っています。

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