胃粘膜下腫瘍が疑われた肝血管腫の一例|超音波内視鏡検査(EUS)でわかった胃外圧排|みゆき消化器内視鏡クリニック|多摩市永山の消化器内科・内視鏡検査

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胃粘膜下腫瘍が疑われた肝血管腫の一例|超音波内視鏡検査(EUS)でわかった胃外圧排

胃粘膜下腫瘍が疑われた肝血管腫の一例|超音波内視鏡検査(EUS)でわかった胃外圧排|みゆき消化器内視鏡クリニック|多摩市永山の消化器内科・内視鏡検査

2026年5月28日

健診の胃カメラで「胃粘膜下腫瘍の疑い」と指摘されても、胃の外側から押されて隆起して見える場合があります。

今回は、超音波内視鏡検査(EUS)により、胃壁内の腫瘍ではなく肝血管腫による胃外圧排と診断できた症例を紹介します。

胃粘膜下腫瘍が疑われたときに、EUSがどのように役立つのかを解説します。

症例

50代女性の方です。健診で行われた胃内視鏡検査で、胃の上部にあたる胃穹窿部に粘膜下病変を疑う隆起を指摘され、精密検査目的に当院を紹介受診されました。

胃内視鏡検査

胃内視鏡検査では、前医でのご指摘の通り、胃穹窿部前壁に粘膜下腫瘍を疑わせるなだらかな隆起を認めました。

胃穹窿部前壁に胃粘膜下腫瘍を疑う隆起を認めた胃内視鏡画像
胃内視鏡検査では、胃穹窿部に粘膜下腫瘍を疑うなだらかな隆起を認めました。

このような病変では、本当に胃の壁の中に腫瘍があるのか、あるいは胃の外側にある臓器や腫瘤によって胃が押されているのかを見分けることが重要です。

胃粘膜下腫瘍が疑われた場合には、病変が胃壁のどの層にあるのか、また胃の外側から押されているだけなのかを確認するために、 超音波内視鏡検査(EUS) が役立つことがあります。

超音波内視鏡検査(EUS)

そこで、引き続き超音波内視鏡検査(EUS)を行いました。EUSでは、胃の壁の中には明らかな腫瘍性病変を認めませんでした。一方で、胃の外側、肝臓の辺縁に類円形の腫瘤を認めました。

超音波内視鏡検査で胃壁内に腫瘍を認めず、肝臓辺縁に類円形腫瘤を認めた画像
超音波内視鏡検査(EUS)では、胃壁内に明らかな腫瘍はなく、胃の外側に肝臓由来と考えられる腫瘤を認めました。

腹部CT

その後、造影腹部CT検査を行ったところ、胃の上部に接するように肝腫瘍を認めました。造影パターンから肝血管腫と診断しました。

造影腹部CTで胃の上部に接する肝血管腫を認めた画像
造影腹部CTでは、胃の上部に接する肝腫瘍を認め、造影パターンから肝血管腫と診断しました。

肝血管腫は肝臓にできる良性腫瘍の一つで、多くの場合は治療を必要とせず、画像検査で経過観察を行います。本症例でも、腹部エコー検査で経過を確認しています。

胃の外圧排とは?

胃カメラで胃の内側から見ると、粘膜の下から盛り上がっているように見える病変があります。このような所見は「胃粘膜下腫瘍」が疑われますが、実際には胃の壁の中に腫瘍があるとは限りません。

胃の外側にある肝臓、脾臓、膵臓、血管、腫瘤などによって胃が押されると、胃カメラでは粘膜下腫瘍のように見えることがあります。これを「胃外圧排」といいます。

今回の症例では、胃カメラでは胃粘膜下腫瘍のように見えましたが、超音波内視鏡検査(EUS)で胃壁内に腫瘍がないことを確認できました。そのうえで、胃の外側にある肝臓の腫瘤が胃を押している可能性が考えられ、造影CTにより肝血管腫と診断しました。

このように、EUSは胃粘膜下腫瘍が疑われた場合に、病変が胃の壁の中にあるのか、胃の外側から押されているのかを見分けるうえで有用な検査です。

胃粘膜下腫瘍と胃外圧排の違い

胃粘膜下腫瘍とは、胃の粘膜の下にできる腫瘍や病変の総称です。胃カメラでは、表面の粘膜は比較的きれいに見える一方で、内側から押し上げられたような隆起として見えることがあります。

一方、胃外圧排とは、胃の外側にある臓器や病変によって胃が押され、内視鏡では粘膜下腫瘍のように見える状態です。胃カメラだけでは両者の区別が難しいことがあります。

そのため、胃粘膜下腫瘍が疑われた場合には、必要に応じて超音波内視鏡検査(EUS)やCT検査などを組み合わせて評価します。

この症例のポイント

胃内視鏡検査で粘膜下腫瘍のように見える隆起があっても、必ずしも胃の壁の中に腫瘍があるとは限りません。

超音波内視鏡検査(EUS)は、胃壁のどの層に病変があるのか、また胃の外側から押されている病変なのかを確認するうえで有用な検査です。

胃粘膜下腫瘍・胃外圧排に関するよくある質問

Q.胃粘膜下腫瘍と言われたら、必ず腫瘍があるということですか?

必ずしもそうではありません。胃カメラで粘膜下腫瘍のように見えても、実際には胃の外側から押されている「胃外圧排」の場合があります。必要に応じて、超音波内視鏡検査(EUS)やCT検査で詳しく確認します。

Q.肝血管腫は治療が必要ですか?

肝血管腫は肝臓にできる良性腫瘍の一つで、多くの場合は治療を必要としません。ただし、大きさや見え方、症状の有無によっては、腹部エコーやCTなどの画像検査で経過を確認することがあります。

Q.胃粘膜下腫瘍が疑われた場合、必ずEUSが必要ですか?

必ずしも全例で超音波内視鏡検査(EUS)が必要というわけではありません。特に1cm以下の小さな粘膜下腫瘍では、EUSを行っても病変がはっきり描出できないことがあります。

2cm未満で表面がなめらかで、潰瘍形成・辺縁不整・増大傾向などの悪性を疑う所見がない場合には、すぐに精密検査を行わず、年1〜2回程度の内視鏡検査などで経過観察を行うことがあります。

一方で、病変が大きい場合や、形の不整・潰瘍・増大傾向を認める場合には、EUSやCT検査などで詳しく評価します。

健診や胃カメラで
胃粘膜下腫瘍を指摘された方へ

胃カメラで胃粘膜下腫瘍を疑う隆起を指摘されても、すぐに悪性腫瘍を意味するわけではありません。小さく表面がなめらかな病変では、経過観察となることもあります。

一方で、病変の大きさ、形、潰瘍の有無、増大傾向などによっては、胃壁のどの層にある病変なのか、また胃の外側から押されているだけなのかを確認する必要があります。

当院では、必要に応じて超音波内視鏡検査(EUS)を行い、胃粘膜下腫瘍や胃外圧排の評価を行っています。健診や胃カメラで胃粘膜下腫瘍を指摘された方は、検査結果をご準備のうえお問い合わせください。

超音波内視鏡検査(EUS)年間430件(2025年)の検査実績をもとに診療を行っています。


※ WEB問診をご利用の際は、診療科の選択で「超音波内視鏡(EUS)検査 事前問診【初診の方】」をお選びください。
※ 胃カメラの結果、紹介状、検査画像、健診結果などをお持ちの方は、受診時にご持参ください。
※ 病変の大きさや所見によっては、経過観察をご提案する場合もあります。

参考文献

岡田 裕之.Gastroenterol Endosc 2017;59:1289-1301.

※本コラムで紹介する症例は、当院で経験した症例をもとに、個人が特定されないよう一部内容を調整して掲載しています。掲載時期と実際の検査時期は必ずしも一致しません。

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