消化器内科・内視鏡科みゆきクリニック

下部消化管内視鏡

COLONOSCOPY(CS)

III. 下部消化管内視鏡(大腸カメラ)COLONOSCOPY(CS)

当院で経験した代表的疾患を紹介いたします。

大腸ポリープ(過形成)

大腸ポリープ(過形成)
過形成ポリープは、直腸やS状結腸にできることの多いポリープです。がん化の危険性がとても低いと考えられ、基本的には切除する必要はありません。

大腸ポリープ(腺腫)

大腸ポリープ(腺腫)
腺腫は、大腸がんになる危険性のある、腫瘍性のポリープ(良性腫瘍)です。腫瘍の小さいうちに、内視鏡的に切除することにより、大腸がんを予防することができます。

大腸側方発育型腫瘍

大腸側方発育型腫瘍
検診の便潜血反応陽性であったため、大腸カメラを行いました。横行結腸に、15 mmの丈の低い腫瘍を認めました(右写真は、色素を散布後)。通常、大腸腫瘍は上下垂直方向に発育しますが、側方発育型腫瘍は、文字通り横方向に発育する腫瘍です。このタイプの腫瘍は、がん化する危険性があり、内視鏡的に切除する必要があります。
(この例は、内視鏡で切除した結果、良性でした)

大腸ポリープ(早期がん)

大腸ポリープ(早期がん)
検診の便潜血反応が陽性であったため、大腸カメラを行いました。S状結腸に、1 cmの太い茎を有するポリープを認めました。内視鏡的に切除したところ、がんと診断されました。

大腸がん(早期がん)

大腸がん(早期がん)
60代男性。血便が出るとのことで、来院されました。大腸カメラを行ったところ、横行結腸に、約半周を占める腫瘍を認めました。生検の結果、大腸がんと診断し、外科的切除を行いました。

直腸がん(進行がん)

直腸がん(進行がん)
50代の女性。便に血が混じるとのことで、大腸カメラを行いました。直腸に1 cm大の腫瘍を認めました。内視鏡的治療の適応はないと判断し、腹腔鏡下切除を行いました。

直腸がん(進行がん)

直腸がん(進行がん)
便が細い、便に血が付く、と、いう症状のため、大腸カメラを施行しました。直腸にある腫瘍(直腸がん)により、腸の内腔が狭くなっており(矢印)、カメラを通すことができませんでした。
前年に便潜血反応陽性を指摘されましたが、大腸カメラを受けなかったそうです。便潜血反応陽性は、大腸がんの予防・早期発見のチャンスです。大腸カメラを受けましょう。

直腸カルチノイド

直腸カルチノイド
70歳代の男性。腹痛精査目的で、大腸カメラを行いました。直腸にやや黄色調の小さな腫瘍を認めました(右写真はNBI強調画像)。カルチノイドは、内分泌細胞から発生する腫瘍で、大腸がんよりはおとなしい腫瘍と考えられています(‘がんもどき’と言われています)。しかし転移する危険性があるため、小さいうちに内視鏡的に切除したほうがよいでしょう。

大腸憩室

大腸憩室
大腸憩室とは、大腸の壁の一部が外側に袋状に飛び出したものです。大腸カメラで見ると、クレーター状に凹んで見えます。
多くの方は、大腸憩室による症状はありません。一部の方で、憩室に炎症を起こしたり(憩室炎:腹痛、発熱)、憩室から出血(下血)したり、憩室に穴が開いたり(憩室穿孔:強い腹痛)、することがあります。

虚血性腸炎

虚血性腸炎
虚血性腸炎とは、一時的に腸を栄養する血管の血流障害により、腸に炎症や壊疽を起こす病気です。急な腹痛に引き続いて、下痢や下血が起きるのが特徴的です。高齢者に多いですが、若年者でも発症します。重症の場合、入院での治療が必要となります。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎

60代男性。慢性的な腹痛と下痢のため、大腸カメラを行いました。直腸の粘膜(壁)は粗くなっており(粗造)、赤くなっている部位も認めました(右写真は、NBI強調画像)。生検の結果、潰瘍性大腸炎と診断されました。

潰瘍性大腸炎とは、大腸粘膜(内側表面の壁)に炎症を起こす、原因不明の病気です。症状は、腹痛、血便、下痢、発熱、などです。若い人(20歳代)に起きることが多いですが、中高年の人でも発症します。

薬剤起因性出血性大腸炎

薬剤起因性出血性大腸炎
風邪に対して抗生剤を服用後、下痢と腹痛が出現。大腸カメラを施行したところ、ほぼ大腸全体に渡って、写真のような発赤を認めました。抗生剤の中止により、症状は改善しました。

大腸黒皮症(メラノーシス)

大腸黒皮症(メラノーシス)
下剤の長期使用により、メラニン様色素が大腸粘膜に沈着した状態です。特に病的意義はないと考えられています。

大腸動静脈奇形

大腸動静脈奇形
動静脈奇形は、毛細血管を介さずに動脈から直接、静脈に血液が流れる奇形です。
出血(下血)の原因となることがあります。