消化器内科・内視鏡科
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院長コラム
COLUMN
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胃カメラのときに、咽頭(のど)のがんを発見できるでしょうか?
これまで、咽頭がん(“のど”のがん)は早期発見が難しく、多くは進行した段階で見つかっていました。
進行した咽頭がんの手術は大がかりで、術後に声を失ったり、飲みこみが悪くなったりすることがあります。
しかし近年、内視鏡機器の改良と消化器内視鏡医の咽頭観察の意識の高まりもあり、胃カメラのときに小さな咽頭がんが見つかるようになっています。
ごく早期の咽頭がんですと、体の負担の少ない内視鏡的治療で、完全に治すことができます。
当院で経験した例をご紹介します。
<咽頭がん1>
食道がんの手術歴と胃がんの内視鏡治療歴があります。
当院で初回の胃カメラを行いました。
中咽頭部に3mmの淡い発赤を認めます。
NBI強調画像では、病変がより明瞭です。
生検で、悪性(がん)の診断でした。
<咽頭がん2>
胃のバリウム検査で胃炎を指摘されたため、当院で初回の胃カメラをしました。以前、ピロリ菌感染を指摘されましたが、精査・治療を受けられなかったようです。
口からカメラを入れると、下咽頭(画面右側)に小さな豆状のものを認めました。
近くによって見ると
NBI強調画像です。
生検で、悪性(がん)の診断となりました。
この方は、胃にも早期がんが見つかりました。
咽頭がんも胃がんも内視鏡で完全に切除できました。
<参考:咽頭乳頭腫>
咽頭(のど)に、白いイソギンチャクのような腫瘍を認めます。
咽頭乳頭腫です。
この腫瘍は良性ですが、まれに悪性化することがあり、治療あるいは経過観察が必要です。
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咽頭がんの危険因子としては、
があります。
この項目が当てはまる方は、胃カメラの際には、より注意してのど(咽頭)を見てもらったほうがいいでしょう。