消化器内科・内視鏡科みゆきクリニック

       

院長コラム

COLUMN

膵嚢胞(すいのうほう)とは?

嚢胞(のうほう)とは、水風船のような液体の入った袋状のものの総称です。

 

 

お腹の嚢胞では、肝嚢胞と腎嚢胞が有名です(腹部エコーなどで指摘されたことのある方も多いと思います)。

肝臓や腎臓の嚢胞の多くは、腫瘍ではありません。そのため、特別なケースを除き、精密検査や治療は不要です。

 

一方、膵臓にも嚢胞ができます(膵嚢胞)。

近年、健診や人間ドックなどの普及により、膵嚢胞が偶然、見つかる機会が増えています。

 

それでは膵嚢胞は、肝臓や腎臓の嚢胞と同じように、精密検査や治療は不要でしょうか?

答えは、NOです。

その理由は、以下の3つがあります。

1. 膵嚢胞には、様々な疾患が含まれています(下表)。そのため、膵臓に嚢胞(液体成分)のある疾患をまとめて、「膵嚢胞性疾患」、と呼んでいます。

2. 膵嚢胞性疾患は、腫瘍性と非腫瘍性(腫瘍でないもの)に分けられます。腫瘍性の膵嚢胞性疾患には、悪性化する危険性のあるものがあります。

3. また一部の膵嚢胞性疾患は、膵臓がんと関連があるものがあります。

 

 

以上の理由から、膵臓に嚢胞が見つかった場合、まずその嚢胞がどんな種類の嚢胞かを診断する必要があります。

そしてその診断に応じて、経過観察または治療することになります。

それぞれの膵嚢胞性疾患については、別コラムで説明します。

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